観光

観光 (ハヤカワepi文庫)

観光 (ハヤカワepi文庫)

タイの国で日常生活の短編集(多分)。
生きていくための若者の機微が淡々と書かれている。
静かに、熱く、暑く。
題名の「観光」は失明目前の母親と旅行する息子の話。
「カフェ・ラブリーで」は若い兄弟の話、可愛かった。
「闘鶏師」人生をどんどん堕ちていく父親を見る高校生の娘の話。
残酷だけど、一番よかった。
決して面白い話はない。
だけど、おばちゃんにはいつの間にか忘れてしまったことが書かれている小説だった。


ちびさんの生活を見ながらそう、思った。